2015年7月16日木曜日

芥川賞のこと

某お笑い芸人が芥川賞を受賞したという.

実は,この人の本,話題になった頃にパラ読みしたんだけれど,今回の受賞は,(少しネガティブな意味で)想像できたものだった.

簡単にいうと,この人の本や文章は,いい悪いという以前に,昭和中期くらいまでの古い純文学が好きなんだという気持ちが強く伝わってくる文章だったということだ.たぶん,この辺が受賞の最大の理由じゃないかと思う.このくらいのレベルが,今の審査員による純文学評価の限界なんじゃないかと思っている.

かつて,多くの尖った才能が純文学を革新しつつ,芥川賞の審査員団とぶつかってきた歴史が,結局,(今回に限っては話題集めという点も含めて)頭の古い審査員によって「古典的」な価値観が揺り返してしまったことに,この賞の将来は閉ざされた感が強い.

ちなみに,誤解を与えないように言っておくと,パラ読みしただけだけれど,僕自身は,又吉さんの文章は好きでしたよ.むしろ,いまの権威化した芥川賞なんて受賞辞退して蹴り飛ばしてしまえばより格好いいと思うくらいには.

あと,羽田圭介さんの本は読んだことないので,コメントできません.

0 件のコメント:

コメントを投稿