2016年10月12日水曜日

ちがう,そうじゃない

ノーベルウィークも終わって,大隅先生の受賞に沸いた世間の反応もひと段落した感がある.(受賞者の多くは毎回同様の内容を語っているんだけれど)今回,それなりに多くのメディアで「役に立つかどうか?」という評価軸は将来の科学の発展を殺しかねないとか,(ほとんど役に立つことのない)基礎科学を重視してほしいなどの発言がクローズアップされているのは,個人的にいい方向に進んでいるものだと思っている.

ただ,それらの発言を受けて,政府コメントで「ノーベル賞を生み出した研究がどういう環境下で行われたのかを調査して,将来のノーベル賞を生み出したい(要約)」的な発表をしているのを見かけて,ズッコケた.いや,そんな漫画的な表現で茶化せるレベルじゃなく,あまりの頭の悪さに絶望的な気分になった.

「ノーベル賞が取れるかどうか」なんていう希望的な観測は,現状の「役に立つかどうか?」という,ある意味で十分に意味がある評価軸と比べるのも失礼なレベルでどうでもよくて(誰もノーベル賞のために研究なんてしていない),もう,「なにを言ってるんじゃ?お前は」レベル.頭の頭痛が痛い.

なんだかもう,悲しくなってきたので,この辺でやめます.

(「役に立つ」という評価軸のこととか,基礎研究のこととかについては,いずれ,気が向いたらどこかに書くかも)